• 印刷する

HS2総工費がさらに膨張も 諮問委が最大1060億ポンドと指摘

イングランド北部とロンドンを結ぶ高速鉄道「ハイスピード2(HS2)」の総工費は、最大で1,060億ポンドに達する可能性がある――。計画の再検討を進めている諮問委員会が、政府への報告書でこうした見方を示したもようだ。HS2計画を担う国営事業会社の最新見通しをさらに20%超過しており、ジョンソン首相はこれを踏まえ、向こう数週間中にHS2計画を中止するかどうかを決定する見通し。BBC電子版が20日伝えた。

HS2は、第1期工事でロンドン―バーミンガム間、さらに第2期工事でバーミンガムからマンチェスターおよびリーズ間の2路線を敷設する計画。当初は総工費557億ポンドを予定し、第1期は2026年、第2期は2033年の完工が見込まれていた。しかし、計画遅延と予算超過が指摘されたため、昨年8月に政府が諮問委員会を設置。これを受け、HS2事業会社のアラン・クック会長は同9月、総工費が物価上昇分も含めて810億~880億ポンドに膨らむとの最新見通しを提出していた。同会長はその際、完工時期が第1期は2031年、第2期は2040年にそれぞれずれ込む可能性もあるとしていた。

フィナンシャル・タイムズが入手した諮問委員会の報告書草案では、第2期工事を半年間停止し、マンチェスターおよびリーズまでの路線に通常路線を併用する可能性を模索することも提案。その上で、「全体的に見て」HS2建設計画はなお進めるべきだが、それには「いくつかの条件」を満たす必要があるとの結論を示している。

ジョンソン首相はかねてHS2計画には批判的だが、大型インフラ投資一般への意欲は強い。また、与党・保守党は先の総選挙で、イングランド北部・中部の伝統的な最大野党・労働党支持者の票を奪って大勝しただけに、これらの地域が待望するHS2計画の行方を巡っては、慎重な決断が求められている。


関連国・地域: 英国
関連業種: 建設・不動産運輸マクロ・統計・その他経済

その他記事

すべての文頭を開く

英政府、駐米大使を解任 米実業家との関係巡り(09/12)

米製薬メルク、英国でR&D拠点の新設中止(09/12)

英貿易相、中国訪問=7年ぶり通商協議(09/12)

シンベン、グラントソントン独法人に出資(09/12)

英化学ベネター、独子会社が破産申請(09/12)

小売りジョン・ルイス、上半期は赤字拡大(09/12)

高級車JLR、サイバー攻撃でデータ漏えい(09/12)

英、統一事業税を改革=中小企業の投資促進(09/12)

フィドラ、10億ポンド超調達 英最大の蓄電池=1400メガワット(09/11)

ハンガリー、シェルと10年間のガス供給契約(09/11)

すべての文頭を開く

※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。

の記事は有料サービスご契約者様限定記事です。契約すると続きをお読みいただけます。契約されている方は、画面右側にある各種ログインからログインください。
無料トライアルはこちら
購読申し込みはこちら

NNAからのご案内

各種ログイン