スペインの下院(定数350)は7日、サンチェス暫定首相の第2回信任投票を行い、賛成167票、反対165票で可決したと発表した。先の第1回投票では賛成票が絶対過半数に届かず否決されたが、2回目の投票では単純多数が求められるため、棄権の18票を除き2票の僅差で勝利を収めた。これにより、1978年の民主化以降スペインで初めて連立政権が誕生する見通し。
社会労働党は信任投票に当たり、カタルーニャ州の独立を訴えるカタルーニャ共和主義左翼(ERC)から協力の約束を取り付けており、同党の議員が投票を棄権したことで2回目投票での可決に持ち込むことができた。
サンチェス氏率いる中道左派の社会労働党(PSOE)と急進左派ポデモス(Podemos)の連立政権は、民主化以降で初めて急進左派政党を含む政権でもある。新政権は、富裕層や大企業向けの増税や、最低賃金の引き上げ、炭素排出量の削減などを目指している。ただ、昨年11月の総選挙での獲得議席数はPSOEが120議席、ポデモスが35議席の計155議席と過半数には達していないため、法案の可決には他党の協力を求める必要がある。
スペインでは、昨年4月の総選挙の後にサンチェス暫定首相の信任投票が2度否決され、11月には年内で2度目、過去4年で4度目となる総選挙が実施された。
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