独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の排ガス不正問題を巡るドイツ国内での集団訴訟について、原告の消費者団体VZBVは2日、VWと和解に向けた協議に入ることで合意したと発表した。
VZBVは、協議は初期段階で、和解に至るかは不明だと説明。また、交渉の具体的な内容は明らかにしていないが、「顧客の利益のために現実的な解決法を模索する」としている。訴訟参加者の少なくとも70%が和解案に賛成した場合、和解が成立する。
VWに対する集団訴訟は昨年9月、独北部ニーダーザクセン州ブラウンシュワイク(Braunschweig)の裁判所で開始。VZBVとドライバー団体のドイツ自動車連盟(ADAC)が起こしたもので、約45万人のディーゼル車オーナーが訴訟に参加している。独政府は2018年11月、消費者の企業に対する集団訴訟を可能にする法律を制定しており、これが適用される初のケースだ。一方で、訴訟には数年を要するため、原告はその間、補償金が出るか不透明なまま待たされることになる。
2015年9月に発覚した排ガス不正問題では、VWグループ全体で計1,100万台に違法ソフトウエアを搭載していたことを認めている。米国での訴訟費用などによるVWの損失額は300億ユーロ超に達している。[環境ニュース]
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