独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の高級車部門アウディは11月29日、電気自動車(EV)への転換や設備投資、研究開発などに、2020~2024年に370億ユーロを振り向けると発表した。うち、EV関連には120億ユーロを注入する方針で、同分野では過去最大規模の投資となる。
アウディは2025年までに世界販売台数にハイブリッド車(HV)とEVが占める割合を40%に引き上げる目標を掲げている。同年までに30車種以上を電動化する予定で、うち20車種はEVとする計画だ。電動化を加速させるため、VW傘下の高級スポーツカー部門ポルシェと共同で高級大型車向けの電化プラットフォームを開発中。また、VWとEV用モジュラープラットフォーム「MEB」の開発も進めている。
今回の投資は、同社が2年前に打ち出したアウディの変革に向けた事業計画の一環で行われるもの。高額投資が必要となる分野の開発を後押しするため、2022年までに年間150億ユーロのコストを節減し、中期的に利益率を9~11%に回復させたい考えだ。同計画ではこれまでに、40億ユーロ以上のコスト削減を実現。また、先に発表した人員整理では、60億ユーロの節減が可能とみている。
なお、同整理では2025年までに最大9,500人が対象となる。早期退職プログラムなどを通じて実施する予定で、2029年までは強制解雇は行わない方針だ。一方、eモビリティーやデジタル化といった分野では、新たに2,000人の雇用を計画している。[環境ニュース][労務]
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