英航空大手ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)とスペインのイベリア航空を運営するインターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)は4日、スペインのエア・ヨーロッパを10億ユーロで買収することで合意したと発表した。南米路線を開拓し、マドリード空港を欧州の新たなハブ(運航拠点)とする戦略の一環。
IAGは、エア・ヨーロッパの親会社であるスペインの旅行会社グローバリア(Globalia)から、エア・ヨーロッパの全株式を現金で買い取る。取引は、当局の承認を得た上で2020年後半の完了を見込む。エア・ヨーロッパはイベリア航空の傘下に入るが、当面はブランド名を維持する。
IAGは、マドリード空港をアムステルダムやフランクフルト、ロンドン・ヒースロー、パリ・シャルルドゴールの各空港と並ぶハブへと転換する方針。また、成長の見込まれる南米およびカリブ海市場で上位に立つことを目指す。フィナンシャル・タイムズによると、エア・ヨーロッパの買収により、IAGの南米市場でのシェアは現在の19%から26%へと拡大する見通し。
エア・ヨーロッパは1993年に国内便を就航し、イベリア航空の独占市場に攻勢をかけた。その後、国際線にも手を広げ、現在は米大陸便を含む69路線を運航。66機を保有する。同社は2007年に航空同盟「スカイチーム」に加盟した。
IAGは南米路線拡大に向け、アメリカン航空およびチリに本拠を置くラタン航空(LATAM)と合弁会社を設立する計画だったが、5月にチリの最高裁判所が市場の独占につながるとしてこれを禁止した経緯がある。[M&A]
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