ポルトガルで6日、議会(一院制、定数230)選挙の投開票が行われ、コスタ首相率いる与党・社会党が得票率36.7%で首位に立った。同首相の2期目続投が決まった格好だが、議席数は106議席と単独では過半数に届かず、少数政権を樹立することになる。
社会党は今回、前回選挙時の86から議席を大きく伸ばしたが、過半数には10議席及ばなかった。最大野党で中道右派の社会民主党(PSD)の得票率は27.9%となり、77議席を得ている。社会党がこれまで閣外協力を得ていた左翼ブロックは9.7%、共産党は6.5%となり、それぞれ19議席、12議席を確保した。コスタ首相は今回、少数政権樹立に向けて前政権時の2党との提携を継続する意向を示している。
一方で、投票率は54.5%と、1974年の民政復帰以降で最低を記録した。
同国は2010年に債務危機に陥り、欧州連合(EU)などから緊縮財政を強いられた。2015年に政権を奪還した社会党は、コスタ首相の下で、緊縮策を緩和するなど緊縮命令に抵抗しつつ、債務危機からの脱出に成功した。極左と手を組むことで財政赤字を再び悪化させると批判されたが、これを跳ね返した格好だ。
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