ドイツの鉄鋼・エンジニアリング大手ティッセンクルップは25日、グイド・ケルクホフ最高経営責任者(CEO)を解任する方針を明らかにした。就任から1年2カ月の同CEOの下で事業再建計画の進行が遅れていることに対し、監査役会が不満を募らせていることが影響しているもようだ。
後任には、マルティナ・メルツ会長が最長1年間の暫定CEOに指名される見通し。昨年にティッセンクルップの監査役となったばかりの同会長は、より客観的な視点から事業再建を進めることができると期待されている。就任が決定すれば、同社初の女性CEOとして、2019/20年度に予定するエレベーター事業の売却または新規株式公開(IPO)を指揮することになる。
ティッセンクルップは5月、欧州委員会からの承認獲得が困難との理由から、インドの鉄鋼大手タタ・スチールと欧州鉄鋼事業を統合する計画を断念。これに伴う事業戦略見直しの一環として、エレベーター・テクノロジー部門の分離を決めた。このほか、自動車のシャシー部品やシステムエンジニアリングなどに使用されるばねやスタビライザーを手掛ける3事業の売却を検討しているという。
なお先には、フランクフルト取引所を運営するドイツ取引所が、ドイツ株式指数(DAX)を構成する30社の入れ替えを発表。ティッセンクルップは脱落した。[労務]
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