トルコ軍年金基金を運営するオヤック(Oyak)は16日、英鉄鋼会社ブリティッシュ・スチールを買収することで暫定合意したと発表した。ブリティッシュ・スチールは5月に経営破綻してから引受先を探していたが、ようやくこれに終止符が打たれる格好。今後は、オヤックの投資部門アタエル(Ataer)・ホールディングが向こう2カ月間、ブリティッシュ・スチールに対するデューデリジェンス(買取事前調査)を実施する。
アタエル・ホールディングは、トルコの鉄鋼最大手エルデミール(Erdemir)の株式50%を保有する。アタエルは世界各地の鉄鋼企業の買収に乗り出す方針で、ブリティッシュ・スチールの買収をその第一歩と位置付けているという。デューデリジェンスは10月まで行い、問題がなければ、買収は年内に完了する見込み。ただ、オヤックは、取引額やブリティッシュ・スチールが抱える従業員の移管などについては明らかにしていない。
ブリティッシュ・スチールは黒字転換に向け、莫大な設備投資を必要としているが、オヤックにはこれを提供する財力があるとみられている。ブリティッシュ・スチールは国内2位の鉄鋼会社で従業員数は5,000人。イングランド北東部に約4,000人を擁するスカンソープ(Scunthorpe)工場のほか、ティーサイド(Teesside)工場を有する。また、フランスとオランダにも鉄鋼関連製品の設備を構える。[M&A]
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