欧州委員会は14日、欧州連合(EU)の鉄鋼製品に対するセーフガード(緊急輸入制限)措置は、導入から1年の間に全体として効果があったとの調査結果を明らかにした。この措置は、米国が鉄鋼・アルミニウムの輸入に高関税を課したことを受け、米国向け製品のEU市場への流入が急増することを避けることを狙ったもの。欧州委の発表を元に、ドイチェ・ウェレなどが伝えた。
EUは昨年7月に暫定的にセーフガード措置を発動し、今年2月には正式な措置を導入した。正式なセーフガード措置の適用期間は最長3年で、鉄鋼製品のうち26品目を対象に2015~2017年の輸入実績の平均に基づいた割当枠を設定し、これを上回った場合は25%の関税を課す。ただし一部の開発途上国と南アフリカ、ノルウェーなど欧州経済領域(EEA)諸国は除外されている。
欧州委は併せて、セーフガード措置には微調整が必要であるとし、世界貿易機関(WTO)に対して、WTOのルールの全面的な順守で効果を高めるための調整を通告した。その内容として、熱間圧延平綱など自動車産業向け鉄鋼を含む一部製品の割当枠の調整、最近の輸入統計に基づいて除外する開発途上国のリストの更新、割当枠の漸進的緩和率を5%から3%に縮小することによる輸入自由化の減速を挙げている。欧州委は、この変更を10月までに実施するため、影響を受けるWTO加盟国およびEU加盟国の承認を目指している。
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