自動車製造取引業者協会(SMMT)は5日、7月の英国の新車登録台数が15万7,198台となり、前年同月比4.1%減少したと発表した。政治や経済の先行き不透明感などを背景とする企業景況感や消費者信頼感の悪化が影響し、5カ月連続のマイナス。7月としては2012年以降で最低を記録した。
7月は個人向けが2%縮小。フリート向けは4.7%減り、法人向けは22.5%落ち込んだ。燃料別ではディーゼル車が22.1%減少した一方、ガソリン車は2.6%のプラスだった。代替燃料車(AFV)のうち、バッテリー式電気自動車(BEV)は大きく2.5倍超に拡大。ハイブリッド車(HEV)は34.2%増加した。半面、プラグインハイブリッドEV(PHEV)は49.6%落ち込んでいる。マイルドハイブリッドシステム搭載車では、ディーゼル車が4.5倍弱に増え、ガソリン車は1.3%伸びた。
新車登録台数をメーカー別に見ると、英国車は仏グループPSA(旧プジョー・シトロエン・グループ)傘下のボクソールが11.7%減少。一方、インドのタタ・モーターズが展開するランドローバーと、姉妹ブランドのジャガーはそれぞれ8.1%、12.6%拡大した。
ドイツ勢はフォルクスワーゲン(VW)が9.4%縮小。高級車はVW傘下のアウディが23.3%減り、BMWは7.8%落ち込んだ。半面、メルセデス・ベンツは5.8%増えている。フランス車はルノーが大きく31.6%減らしたが、プジョーは1.9%伸びた。姉妹ブランドのシトロエンは29.3%のプラスだった。販売台数が最も多い米フォードは6.4%増加した。
日系メーカーは、トヨタ自動車(レクサス除く)が22.7%拡大。マツダは9.9%増えた。一方、日産自動車は1.9%、スズキは22.8%それぞれ前年を下回った。ホンダは18.3%縮小。三菱自動車は33.6%減らし、スバルも8%のマイナスだった。韓国勢は現代自動車が5.3%、傘下の起亜自動車も3.5%それぞれ減少している。
1~7月の累計登録台数は全体で142万6,443台と、1年前を3.5%下回った。
SMMTのマイク・ホーズ最高経営責任者(CEO)は「7月も引き続き前年割れとなったものの、ゼロエミッション車(ZEV)の着実な成長ぶりには希望が持てる」とコメント。企業の長年にわたる新技術への投資により、かつてないほど多くのZEVが市場に出回っているとする一方、英国がゼロ排出目標を達成するには、政府が長期的なインセンティブやインフラ投資などを通して環境を整える必要があると指摘した。
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