アナログ集積回路(IC)やセンサーの設計・製造を手掛けるオーストリアのAMSは23日、独照明機器大手オスラム(Osram)の買収に向けた協議を再開したと発表した。AMSは買収提案を撤回したばかりだったが、取引に必要な資金確保のめどが立ったもようだ。
オスラムを巡っては、米投資会社ベイン・キャピタルとカーライル・グループから成るコンソーシアムがオスラム株1株につき35ユーロを支払う内容の買収提案を行っていた。これに対しAMSは先に、1株当たり38.5ユーロを支払う内容でオスラムに拘束力のない買収提案をしていたが、企業価値の向上への貢献などを精査した結果、提案を取り下げていた。
なお、オスラムの監査役会と執行役会は、ベインとカーライルによる34億ユーロの買収提案を支持している。オスラムは、AMSとの再協議についてコメントを控えている。
AMSは、顔認証技術向けのセンサーなどを米アップルに供給しているが、昨年末に発売された同社のスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」の最新モデルの需要が予想を下回ったことを受け、業績不振に陥っていた。一方のオスラムは近年、照明業界の伸び悩みに加え、自動車業界の不振に連動したヘッドライトの需要の落ち込みを背景に苦戦を強いられている。[M&A]
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。