ウクライナで21日、最高会議(一院制、定数450)の解散総選挙が行われ、ゼレンスキー大統領率いる新党「国民の奉仕者」が第1党の座を確実なものとした。選挙管理委員会の発表では22日午後6時半(現地時間、開票率76.34%)の時点で、同党の得票率は42.77%と他党に大差をつけており、4月の大統領選挙で圧勝した勢いを維持した。
他党の得票率を見ると、親露派の「野党連合」が12.99%で2位に付け、これにポロシェンコ前大統領率いる「欧州連帯」が8.35%で続いた。他に議席獲得に必要とされる5%以上を確保したのは「祖国」(8.08%)と、人気ロック歌手のワカルチュク氏率いる「声」(6.12%)で、ゼレンスキー大統領はかねて「声」を連立候補とする考えを示している。
ゼレンスキー大統領は21日の投票後、「大統領、首相、最高会議が国民の生活を幸せにするために協力しなければならない」とコメント。主要課題は投資、民主主義、安全性だとした。
人気コメディアン・俳優として知られたゼレンスキー氏は4月の大統領選で、既存政治家に対する国民の不満を取り込んで汚職撲滅を訴え、ポロシェンコ前大統領に圧勝。しかし、ゼレンスキー氏の党は議会で議席を持たないため、5月に最高会議の解散を命じる政令に署名していた。
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