英国最大級の国際酒類見本市「インバイブライブ 2019」が1日、2日間の日程でロンドンで開幕し、国税庁と日本貿易振興機構(ジェトロ)が日本産酒類のプロモーションブースを出展した。2年連続の参加で、日本酒や泡盛、クラフトジンなどを手掛ける計18社が自慢の一品を出品。英国内のバイヤーが多数訪れ、それぞれの風味を堪能した。(蔭浦明日香)
たなか酒店(兵庫県明石市)や田治米合名(兵庫県朝来市)は生酒やスパークリング日本酒を紹介。これらはオランダの容器製造ライトウエイト・コンテナーズが開発した専用容器「キーケグ(KeyKeg)」に充填(じゅうてん)されている。蔵元で絞った状態の品質のまま国外流通させることが可能で、開封後も最後まで同じ味を保てるという。一方、海外初出展となる土田酒造(群馬県川場村)は「権威あるレストランなどで受け入れられることで、日本人の間でも酒の良さを再認識してもらえれば」と期待を込める。
泡盛の輸出を支援するブルーシップ沖縄(那覇市)は欧米展開に向け、パリなどのデザイナーと提携。「ジンやウォッカのように、アワモリのカテゴリーを作るのが目標だ」と話す。まさひろ酒造(沖縄県糸満市)は、ハイビスカスやゴーヤなど6種類の植物成分を使用した沖縄初のクラフトジンを売り込み、三和酒類(大分県宇佐市)は麦こうじ100%の焼酎を「コウジ・スピリッツ」として展開。こうじならではのうまみが特徴で、来場者や他の出展者が割り方を提案する場面もあった。
ジェトロの農林水産・食品部加工食品・酒類支援課の濱田哲一課長は「ワインソムリエの間で、日本酒の知識を持っていることがアドバンテージになりつつある」と説明。日本のクラフトマンシップに対する世界的に高い評価、英国の「クラフトジンブーム」やその背景にある健康志向などが、日本の酒類の人気の高まりに大きく貢献していると分析する。
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