米自動車大手フォード・モーター傘下の欧州フォードは6日、2020年9月にウェールズ南部ブリジェンド(Bridgend)のエンジン工場を閉鎖する方針を明らかにした。欧州事業の立て直しの一環で、3月には同工場で希望退職者を募ると明らかにしていた。
フォードのブリジェンド工場は1977年に操業を開始。現在はフォードの1.5リットルのガソリンエンジンの次世代版やインドの自動車大手タタ・モーターズ傘下の英高級車メーカー、ジャガー・ランドローバー(JLR)向けのガソリンエンジンなどを生産している。しかし、JLR向けは契約打ち切りが決まっているほか、フォード車向け次世代版エンジンは世界的に需要が減退している。さらに、他のエンジン工場に比べてコストがかさむ上、新規受注に恵まれなかったことから、閉鎖を決めた。スカイニュースによると、英国の欧州連合(EU)離脱とは無関係としている。
ブリジェンド工場でのフォード車向けエンジンの生産は2020年2月、JLR向けは同年9月にそれぞれ終了する予定。同工場の従業員1,700人のうち、400人は希望退職に応じており、年内に退職する。また、工場閉鎖に伴い、6億5,000万ドルの損失を計上する見込みだ。
フォードは既に、最大労組ユナイトの代表者との話し合いを開始。ロンドン東部のダゲナム(Dagenham)工場でのディーゼルエンジン生産や、イングランド北西部マージーサイド州ヘイルウッドにある同社と独自動車部品ゲトラグ(GETRAG)の合弁会社、ゲトラグ・フォード・トランスミッションズの工場でのトランスミッション生産は継続すると強調している。
フォードは5月、事業再編の一環で8月末までに世界全体で従業員7,000人を整理すると発表。ドイツでは5,000人を削減する方針で、英国では500人超が希望退職に応じている。[労務]
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