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伊自動車FCA、仏ルノーに合併提案

伊自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)は27日、仏同業ルノーに対等出資による経営統合を提案したと発表した。実現した場合、販売台数は870万台程度と世界3位の規模となる見通し。ルノーを巡ってはかねて、日産自動車との合併協議を再開することを目指しているほか、他社の買収候補にFCAを挙げていると報じられていた。

FCAは今回の打診について、既存のルノー・日産自動車・三菱自動車連合によるシナジー効果に、追加で年間50億ユーロ超のシナジー効果をもたらす見込みだと説明。これらは主にプラットフォームの集合、パワートレインや電動化への投資の統合、事業スケールによる恩恵からもたらされるという。また、電動化や自動運転といった次世代技術において強固な立ち位置を確立し、急激に変化する自動車業界で主導的な存在になると主張した。なお、企業統合による工場閉鎖は行わないと念を押している。

今回の提案では他に、統合後の新会社は当初11人の取締役を置き、うち過半数は社外取締役となるほか、FCAとルノーから各4人が加わる上、日産から1人を指名すると説明。新会社はオランダを本拠とし、ミラノとパリ、ニューヨークでそれぞれ上場する方針だ。

さらに、2018年の両社の販売実績から想定し、新会社は中南米市場で首位、欧州・中東・アフリカ(EMEA)で2位、北米で4位となり、アジア・太平洋市場での成長に必要な資産を確保できると自信を示す。年商は1,700億ユーロ近く、営業利益は100億ユーロ超、純利益は80億ユーロ超を見込んでいる。

ルノーは、FCAから提案を受けたことを明らかにした上で、取締役会で協議した結果、前向きに検討する方針を示した。BBC電子版によると、取引実現後は日産とフランス政府が共に新会社の7.5%株式を取得する見通しで、仏政府は合併に前向きな姿勢を示すものの、最終承認を前に同案件の詳細を求めているようだ。一方、イタリア政府も仏政府と同等の株式取得に乗りだすとみられている。[M&A]


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