独化学大手BASFとロシアの投資会社レターワン(L1)グループは1日、両社の石油・ガス子会社の統合が完了したと発表した。BASF傘下のウィンターシャル(Wintershall)とL1傘下の独DEAの合併により誕生した新合弁会社「ウィンターシャルDEA」は、2020年後半に新規株式公開(IPO)を実施する予定だ。
両社は昨年9月、それぞれの石油・ガス子会社を統合することで正式に合意した。新会社への出資比率は、BASFが67%、L1が33%。これにはウィンターシャルのガス輸送事業が含まれておらず、同事業の価値に相当する新会社の優先株を発行し、BASFに割り当てる。取引成立から36カ月以内にこれを普通株に転換することで、BASFの出資比率を72.7%に引き上げる取り決めだ。統合は約1年以内に完了する予定。なお、新会社はドイツ北部のハンブルクと中部ヘッセン州カッセル(Kassel)に本社を置く。
IPOを巡ってはロイター通信が先に、ウィンターシャルDEAがアドバイザー行を選定したと報じた。時価総額は150億~200億ユーロに達する可能性があり、関係者によると、2020年の上場案件で欧州最大規模になる見通しという。
両社はまた、ウィンターシャルDEAの生産量を現在の日量59万石油換算バレルから、2021~2023年に日量75万~80万バレルに引き上げる方針を改めて示した。統合によるシナジー効果は年間2億ユーロ以上になるとみている。[M&A]
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