スカンジナビア航空(SAS)のパイロットが26日に開始したストライキの影響で、同社のフライトは29日と30日にも計1,213便が欠航となる見通しだ。労使間の仲裁人によると、両者の溝は深く、新たに交渉を開始する兆しはないという。同社の発表を元に、ドイチェ・ウェレなどが28日伝えた。
SASは、拠点を置くデンマーク、ノルウェー、スウェーデンで、29日に667便、30日に546便をそれぞれ欠航する。およそ計11万人の足に影響が出るとみられる。週末に欠航した便も合わせると、2,800便超に上り、影響を受ける乗客は約30万人に達する見通し。
同社は、労働組合が要求する条件を飲めば回復基調にある業績に深刻な損害をもたらすことに懸念を示しているものの、「乗客へのさらなる不便を避けるため、早期の解決を目指す」とコメント。欠航されていない便も含め、27日~5月5日のフライトのキャンセルおよび返金を実施するとしている。なお、提携各社運航分は通常通り運航する。
今回のストを巡っては、3国を拠点とする同社の操縦士から成るSASパイロットグループ(SPG)が3月、賃上げや労働時間、スケジュールなどでSASと交渉を重ねていた。今月22日には再交渉に入っていたが、物別れに終わっている。SPG側は「現在、両者間では何も交渉が行われていない」と述べ、溝を解決するにはSASが協議に向けた真剣な意思を示した上で、交渉の場に現れる必要があると指摘した。[労務]
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