フランクフルト証券取引所を運営するドイツ証券取引所は11日、金融情報サービスの英米リフィニティブ(Refinitiv)の外為部門買収に向けて交渉を進めていると明らかにした。オンライン取引やインデックスファンドなどの隆盛により証券取引所の収益性が伸び悩む中、ドイツ証取は業容の拡大を狙う。
今回の発表はロイター通信の報道を受けたもの。それによると、リフィニティブの外為電子取引プラットフォーム「FXall」の買収で協議が進展し、取引額は約35億ドルに上るという。ただ、ドイツ証取は、取引額や合意間近との報道は事実ではないとしている。
リフィニティブは、米投資ファンドのブラックストーン・グループが昨年、米金融情報サービス大手トムソン・ロイターからレバレッジド・バイアウト(LBO、買収先企業の資産を担保にして資金を調達する方法)により株式55%を取得。残り株はトムソン・ロイターが引き続き保持する。この買収によりリフィニティブは135億ドルの債務を抱えており、外為部門の売却により債務を圧縮できる。FXallは2,300件を超える顧客を抱え、直物取引や先物契約、オプション契約などを500以上の通貨の組み合わせで提供している。
ドイツ証取は9日、リスク管理システムを手掛ける米アクシオマ(Axioma)を買収すると発表したばかり。同証取のインデックス事業と統合し、新たに分析会社を設立することを決めている。[M&A]
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