英政府は、金融危機で国有化された中堅銀行ノーザン・ロックのバッドバンク(不良債権買い取り機関)、ノーザン・ロック・アセットマネジメント(NRAM)が保有する49億ポンド相当の住宅ローン資産を米金融シティグループと米資産運用会社パシフィック・ インベストメント・マネジメント(PIMCO)に売却することで合意した。NRAMを管理するUKアセット・レゾリューション(UKAR)が2日明らかにした。
これによりUKARは、政府からの約40億ポンドに上る借入残高の全額を財務省に返済する。売却が完了すれば、UKARのバランスシートは80億ポンドに圧縮され、2010年のUKAR創設時から93%縮小することになる。政府は昨年10月に発表した2019/20年度の予算案で、2020年3月までにUKARの資産を全て売却する方針を示していた。
今回の資産売却先の選択に当たっては、売却後も住宅ローンの条件を変更しないなど、ローン顧客に対する公正な扱いの徹底が重視された。顧客は今後も、住宅ローンの借り換えを含めて同じ保護を受けられる。
ノーザン・ロックは2008年に国有化され、翌年に不良資産を継承するNRAMを分離。ノーザン・ロック本体は2011年、ヴァージン・グループの金融部門ヴァージン・マネーに売却されている。[M&A]
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