アイスランドの格安航空会社WOWエアは28日、営業を停止し、全便を欠航すると発表した。競合のアイスランド航空との提携に向けた再交渉がまとまらず、投資家からの資金調達でも合意に至らなかったためとみられる。
WOWエアは、帰国便がキャンセルになって足止めを食らった乗客らに他の航空会社の利用を促している。アイスランド航空を含む一部の航空会社が、欧州や北米行きの便を割引価格で提供すると説明。また、クレジットカードでチケットを購入した乗客には、その発行会社に返金できるか確認するよう呼び掛けた。旅行代理店を通じてパッケージ旅行の一部として購入した乗客については、欧州連合(EU)の「航空旅客の権利」に基づき補償が受けられるとしている。
同社を巡っては、アイスランド航空が昨年11月初め、国際競争力の強化に向けWOWエア全株式を取得することで合意したものの、同月29日にはこれを撤回。同年12月には米投資会社インディゴ・パートナーズと協議を行っていたが、こちらも条件面で折り合いがつかず先に物別れとなり、アイスランド航空との再交渉に乗り出していた。
WOWエアは2011年の創業。アイスランド経由で欧州と米国を結ぶ格安便を提供するが、ここ数年は不振が続いていた。欧州では近年、航空会社の経営破綻が相次いでおり、今年に入ってからは英国の地方航空フライbmiを運営するブリティッシュ・ミッドランド・リージョナルとドイツのゲルマニアが事業を停止した。
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