独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)は27日、米オンライン販売大手アマゾン傘下のアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)と、「VW産業クラウド」の開発で提携したと発表した。生産効率の向上が狙い。産業クラウドはオープンプラットフォームとする予定で、将来的には他業種にも開放する可能性もある。
両社はAWSのクラウド技術を元に、生産・物流過程に焦点を当てたサービスを開発する。当初はVWグループが世界122カ所に保有する工場の設備やシステムの情報を統合。長期的には、サプライヤーや提携企業など1,500社超が保有する3万カ所を超える拠点のデータも集約する計画で、生産・物流のデジタル化を進めるとともに、生産性と柔軟性の向上を目指す。
両社は今回の取り決めに基づき、中期的に専門技師や技術者など合わせて220人を産業クラウド事業に投入する。開発は、VWのIT(情報技術)センターのほか、ベルリンに合弁設立を計画している産業クラウドイノベーションセンターで行われる予定。また、独東部ドレスデンや南部ミュンヘン、北部ウォルフスブルク(Wolfsburg)の各拠点もこれを支援する。プロジェクトは即時開始される予定で、年内に最初のサービスを開始したい考えだ。
なお、VWは、コネクテッドカー(つながる車)の分野のクラウドでは、米マイクロソフト(MS)と提携している。MSのクラウドプラットフォーム「アジュール(Azure)」のモノのインターネット(IoT)技術を活用し、自社ブランドの車両をインターネットにつなげる「VW自動車クラウド」を開発する計画で、これに向け、米シアトルに開発センターを設立している。[労務]
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