欧州委員会は20日、米インターネット検索エンジン大手グーグルのインターネット広告事業が欧州連合(EU)の競争法に違反したとして、14億9,000万ユーロの罰金を科した。欧州委がグーグルに罰金を科すのは過去2年間でこれが3度目となる。
グーグルは広告事業の一つとして、ウェブサイト上にその内容と関連性の高い広告を掲載する「アドセンス(AdSense)」を提供している。新聞社のウェブサイトやブログ、旅行サイトなどはサイト内に検索機能を備えており、今回違反の対象となったのは、こうしたサイト内の検索機能を使った際に、検索結果と一緒に関連性の高い広告を表示する「検索向けアドセンス」と呼ばれるサービス。欧州委は、グーグルが2006~2016年の間に競合他社の広告表示を制限し、競争を阻害したと指摘している。
グーグルは2006年、ウェブサイトの運営者との契約に、米マイクロソフトやヤフーといった競合他社が仲介する広告を表示させないという条項を盛り込んだ。その後、排他性は緩和されたものの、2016年に欧州委員から注意勧告を受け是正するまで自社の広告を優先させた。
欧州委によると、同期間の欧州経済領域(EEA)におけるオンライン広告仲介市場のグーグルのシェアは70%を上回っている。グーグルの検索エンジンを用いた検索結果に競合企業が仲介する広告は表示されないため、第三者のウェブサイトは競合企業が公正に競争する重要な場だとする。
BBC電子版によると、グーグルの昨年の広告収入による税引前利益は307億ドルに上る。
欧州委はグーグルに対し、2017年には商品検索サービス「グーグル・ショッピング」に関連して24億2,000万ユーロ、2018年には携帯端末向けOS(基本ソフト)「アンドロイド」に関連して43億4,000万ユーロの罰金を科した。グーグルはこれらの決定に不服を申し立てているものの、EU内での検索結果を変更する方針を示している。[EU規制]
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