オランダ政府は27日夜、仏蘭資本の航空大手エールフランスKLMの株式を14%まで買い増したと発表した。取得額は7億4,400万ユーロで、前日時点の12.7%から出資比率をさらに引き上げた。これで同社への出資比率がフランス政府と同水準に達したため、これ以上の株式購入はないとしているが、両国間の緊張がさらに高まっている。
蘭政府は26日、エールフランスKLMの株式を追加購入したことを明らかにした。近年はKLMオランダ航空の事業戦略における重要な決定は親会社のエールフランスKLMレベルで行われることが増えたため、経営構造を巡る協議で困難に直面したと説明。これを受け、「直接的な関与」が必要だと判断したとしている。
フランスのマクロン大統領は、蘭政府からこの決定についても実行についても連絡を受けなかったとし、「意図を明確にするかはオランダ政府次第だ」とコメント。ルメール仏経済財務相は3月1日にフクストラ蘭財務相とパリで会談する予定で、今回の動きは「誰の利益にもならない」と批判している。
AFP通信によると、エールフランスKLMのベンジャミン・スミス新最高経営責任者(CEO)が、KLMの運航便の一部をアムステルダムのスキポール空港からパリに移す可能性が取り沙汰されていることが騒動の背景にある。同CEOは先にKLMとの統合強化を巡る膠着(こうちゃく)状態を打開するため、4月で任期満了を迎えるKLMのピーター・エルバースCEOを再任すると明らかにしていた。
エールフランスは2004年にKLMと経営統合し、持ち株会社エールフランスKLMを創設して両ブランドを展開。蘭政府はこれまで、KLMに5.9%出資していた。[M&A]
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