スペインのバルセロナで25日、世界最大規模の携帯通信関連見本市「モバイル・ワールド・コングレス(MWC)2019」が開幕した。昨年は205カ国・地域から約10万7,000人が来場。今年も28日までの日程で、最新の端末機器や第5世代(5G)移動通信、人工知能(AI)などの新技術がお披露目される。
端末機器で注目されるのは、折り畳み式のスマートフォン。中でも、中国の華為技術(ファーウェイ)が初披露する新機種「メイトX」は、手帳のように両開きすると8インチの継ぎ目のない画面となり、タブレット端末の用途も兼ねる。年内の発売を予定し、価格は最高2,299ユーロと、韓国・サムスン電子が先に発表した折り畳み式の新機種「ギャラクシー・フォールド」の1,980ドルを上回る。
ただ、華為には別の面でも注目が集まる。同社は世界各国で中国政府の差し金によるスパイ行為の懸念が浮上しており、中でも米国は同社からの5G通信機器の調達を禁止。オーストラリアやニュージーランド、日本もこれに追随している。フィナンシャルタイムズによると、欧州各国にも同様の措置を求める米国は、MWCに政府代表団を送り込み、通信事業者や業界団体に同社からの5G機器調達を控えるよう説得に当たっている。
5Gは今年ついに各国で本格導入が予定されるだけに、例年にも増して大きな話題となっている。華為に加え、サムスン電子や米半導体大手インテル、フィンランドの通信機器大手ノキアなどが5G通信網向けの機器をアピール。また、5Gの普及を前提とする自動運転車やコネクテッドカー(つながる車)などの技術は、過去最多の出展数が予想されるほか、独自動車大手ダイムラーの高級車部門メルセデス・ベンツやフォルクスワーゲン(VW)の高級車部門アウディは自ら展示ブースを構えている。
基調講演には、ダイムラーのディーター・ツェッチェ会長や、華為の輪番会長である郭平氏、米マイクロソフトのサティア・ナデラ最高経営責任者(CEO)と並び、日本から楽天の三木谷浩史会長兼社長が登壇する。
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