スペインの下院(定数350)は13日、今年度の予算案を反対191票、賛成158票で否決した。少数政権を運営する社会労働党(PSOE)が予算案を通過させるためには、カタルーニャ独立を支持する各政党の協力が必要だったが、自決権を巡り折り合いがつかず実現しなかった。サンチェス首相はかねて予算案が否決されれば解散総選挙に踏み切る方針を示しており、早期選挙の可能性が濃厚となっている。
スペインでは2018年6月、与党・国民党(PP)内の汚職事件を巡りラホイ前首相の不信任決議案が可決。議会第2党のPSOEが少数政権を樹立した。ただ、PSOEの下院での議席数は84議席と4分の1に満たず、苦しい政権運営を強いられている。
今年度の予算案には、最大野党となった中道右派のPPとシウダダノス(Ciudadanos)に加え、カタルーニャ独立を支持する2党も反対票を投じた。両党は、政府がカタルーニャ自治州の自決権を巡る対話を約束すれば、予算案の交渉に応じるとしていた。ただ、こうした権利を与えることは憲法で禁止されており、モンテロ予算担当相は「自決権を求めるなら、カタルーニャ自治州は地方交付金を失う」と応じていた。
ロイター通信によると、サンチェス首相はできるだけ早期に総選挙を実施する方針で、4月14日または28日に行われる可能性が高い。各種世論調査ではPSOEが支持率約30%で首位に立つが、PPとシウダダノスの支持率を合わせるとこれを上回っている。
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