伊自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)は7日、2018年12月通期のEBIT(利払い・税引き前利益、特別損益除く)が72億8,400万ユーロとなり、前年比3%増加したと発表した。主力の北米・メキシコ市場で売り上げが大きく伸び、過去最高益を達成した。
売上高は4%増の1,154億1,000万ユーロ。主力の大衆車ブランドを地域別に見ると、北米・メキシコは10%増加し、南米は2%伸びた。EMEA(欧州・中東・アフリカ)は1%増を確保している。一方、アジア・太平洋は17%減少した。
高級車ブランドの「マセラティ」は34%の減収。昨年10月にカルソニックカンセイ(さいたま市)への売却が決まった自動車部品部門マニエッティ・マレリ(Magneti Marelli)は4%減少した。
グループの純利益は36億3,200万ユーロと、1年前から3%拡大。出荷台数は大衆車ブランドと高級車ブランドを合わせて484万2,000台と、2%伸びている。
第4四半期に限ると、EBIT(特別損益除く)は7%増の20億2,300万ユーロ。売上高は306億1,900万ユーロと6%増加した。純利益は12億9,300万ユーロと61%拡大している。
FCAは昨年、米国でのディーゼル車の排ガス不正問題に絡み、7億4,800万ユーロの特別損益を計上した。今年については、特別損益を除くEBITが2018年の67億ユーロを上回ると予想する。マニエッティ・マレリ売却を巡っては、規制当局などの承認を経て2019年6月末までの取引完了を見込んでいる。
なおロイター通信によると、FCAと独自動車部品大手ロバート・ボッシュはディーゼル車の排ガス不正問題を巡り、米カリフォルニア州のサンフランシスコ地方裁判所と訴訟費用計6,600万ドルの支払いで合意したもようだ。両社は1月、問題の早期解決に向け、米国で総額3億750万ドルの和解金を支払うと発表している。ただ、ボッシュは不正に関与したことは認めていない。
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