独自動車大手ダイムラーは6日、2018年12月期のEBIT(利払い・税引き前利益、特別損益除く)が111億3,200万ユーロとなり、前期比22%減少したと発表した。2017年は過去最高益を記録していたが、昨年はディーゼル車による大気汚染の低減に向けた独政府の政策に絡むコストや、欧州連合(EU)の新燃費試験導入の影響、米中間の貿易摩擦などが逆風となった。
売上高は2%増の1,673億6,200万ユーロ。うち「メルセデス・ベンツ」と超小型車「スマート」を展開するメルセデス・ベンツ・カーズは1%減った。純利益は全体で75億8,200万ユーロと、29%落ち込んでいる。
グループの販売台数は335万2,415台と2%増加。うちメルセデス・ベンツ・カーズはほぼ横ばいの238万2,791台だった。トラックは10%、バスは8%それぞれ拡大し、バンは5%増えている。
ダイムラーは昨年、米中間の貿易摩擦やドイツ国内のディーゼル車規制に関連するコスト増加などを受け、6月と10月に通期利益見通しを下方修正していた。2019年5月の株主総会をもって退任するディーター・ツェッチェ最高経営責任者(CEO)は「2018年は強い向かい風に見舞われた年だった」と振り返る一方、将来に向けた主要分野で大きな成果を上げたと評価した。
同社は今年の世界経済の成長率が3%弱にとどまると予測。乗用車の新車市場は前年並みになるとみる。ダイムラーの販売台数については、メルセデス・ベンツ・カーズが多数の新モデル導入を予定しており、過去最高を更新すると予想。トラックはわずかに増加し、バスとバンは大きく伸びると分析している。
グループの売上高とEBITも前年をわずかに上回る見込みだが、今年は新モデルの投入コストや技術への投資がかさむ上、原材料コストの上昇や為替差損の影響を受けると予想している。[環境ニュース]
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