英家電大手ダイソンは、本社をイングランド南西部ウィルトシャー州のマルムズベリー(Malmesbury)からシンガポールに移転すると発表した。同社にとって最も成長著しいアジア市場に拠点を移す狙いで、英国の欧州連合(EU)離脱や税制は無関係としている。BBC電子版などが22日伝えた。
本社移転に伴い、ジョーン・ジェンセン最高財務責任者(CFO)とマーティン・ボウエン最高法務責任者(CLO)がシンガポールに異動するが、その他の業務は引き続きマルムズベリーの拠点で処理するほか、人員整理も行わないとしている。ダイソンのほとんどの製品は英国で設計されており、ジム・ローワン最高経営責任者(CEO)は、今後も英国内の拠点に投資を行っていく方針を強調した。
ダイソンは併せて、2018年通期のEBITDA(利払い・税引き・償却前利益)が前期比33%増加し、過去最高の10億ポンドに達したと発表。売上高は28%増の44億ポンドだった。同社は現在、売り上げの96%を国外が占めている。特に、過去数年のアジア市場の成長ペースは他の多くの市場の2倍となっており、同市場の利益は全体の5割超に上るという。
同社は昨年10月、初となる電気自動車(EV)の生産工場をシンガポールに開設すると発表。高技能人材の豊富さに加え、アジア地域のサプライチェーンや市場への近さが決定の背景にある。2020年までに完工し、2021年にも最初のEV生産開始を見込む。[労務][環境ニュース]
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