日産自動車と三菱自動車は18日、日産の前会長のカルロス・ゴーン被告(64)の不正行為に関する共同内部調査の結果、同被告がオランダにある両社の統括会社から不正に約780万ユーロの支払いを受けていたことが判明したと発表した。これによりゴーン被告が新たな罪に問われる可能性が出てきた。
三菱自と日産は2017年、協業によるシナジー創出の促進を目的として、折半出資でオランダ法人NMBVを設立。ゴーン被告はNMBVとの間で、同被告をマネージングディレクターとする雇用契約を独自に締結し、2018年4月末から11月にかけて、その報酬などの名目で不正に支払いを受けていた。
この雇用契約はNMBVにおいて権限のない者によって締結されていたほか、ゴーン被告に対して同社から何らかの報酬を支払うことに関する適正な手続きがなされていなかったという。
一連の行為は、ゴーン被告が日産の幹部社員ら一部の者に実行を指示。その際、同幹部社員はゴーン被告に対して、雇用契約を締結する前にNMBVの取締役である三菱自の益子修会長兼最高経営責任者(CEO)と日産の西川広人社長兼CEOの了承を得る必要があると伝えたにもかかわらず、同被告は一切知らせることなく契約を締結した。
日産は今回の調査の結果、ゴーン被告と同社の元代表取締役グレッグ・ケリー被告らは、開示することなくゴーン被告に対する報酬を支払うため、同社と三菱自が提携を発表した直後の2016年6月の段階から、両社の折半出資による非連結会社の設立の可能性を検討していたことも確認されたとしている。[日本企業の動向][労務]
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