欧州対外国境管理協力庁(FRONTEX)によると、地中海経由でスペインに流入した移民や難民の数は2018年に倍増した。欧州への不法な流入ルートの受け入れ先としてイタリアを抜き、統計開始以降初めて首位に立った。
昨年欧州に不法流入した移民の数は、前年比約25%減の15万人となり、過去5年間で最低を記録。移民増のピークとなった2015年と比べると92%下がっている。この背景には、地中海中部を通ってイタリアに流入する移民の数が激減したことがある。2018年の流入数は前年をおよそ80%下回る2万3,000人にとどまった。このルートの出発点となるアフリカ北部からの出国数も、リビアは87%、アルジェリアは50%近くそれぞれ減っている。
半面、地中海西部を通ってスペインに流入する移民の数は5万7,000人に倍増。欧州連合(EU)加盟国の多くがアフリカからの移民の受け入れに難色を示す一方で、スペインの社会労働党(PSOE)政権は移民対応を重要政策の一つとして位置付け、人権を最重視する構えを見せている。
なお陸路を含め、地中海東部からトルコやギリシャを通って流入する移民の数は約3割増の5万6,000人だった。
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