欧州議会は14日、商用車を対象とした二酸化炭素(CO2)排出量目標の草案を373対285の賛成多数で可決したと発表した。2030年までに、商用車の新車からの排出量を35%削減することを目指す。
今回の案は、欧州委員会が5月に提案した30%の削減目標をさらに引き上げたもの。商用車を対象とした削減目標が設定されるのは初めてだ。併せて、2025年までに20%との中間目標も設定したほか、2022年末までに達成状況を評価し、結果に応じて目標値を改定する。
草案の法制化には12月20日に行われる閣僚理事会での合意が必要となるが、大手自動車メーカーを抱える加盟国の反対により難航することが見込まれる。
今回の案には、トラックやバスを製造するメーカーに対しては、新車販売に占めるゼロエミッション車(ZEV)またはローエミッション車の割合のベンチマークも設けることも盛り込まれた。2025年までに5%、2030年までには20%を達成するよう求めていく方針だ。
ただ、欧州自動車工業会(ACEA)はかねて、トラック・バスの排ガス削減目標は2025年までに7%、2030年までに16%程度にとどめるよう求めており、業界からの反発も予想される。
なお、欧州連合(EU)は先の環境理事会会合で、2030年までに乗用車の新車のCO2排出量を2021年の目標水準からさらに35%削減する案で合意している。
EU域内を走る自動車からの排出ガスのうち、商用車は27%を占める。[EU規制][環境ニュース]
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