英住宅建設大手パーシモンは7日、ジェフ・フェアバーン最高経営責任者(CEO)が12月31日付で辞任すると発表した。同CEOの7,500万ポンドに上る過剰な報酬を巡るメディアや株主の批判を受け、会社にマイナスの影響があると判断したため。取締役会と本人の合意に基づき決定した。
フェアバーンCEOの報酬は、長期的な業績に連動して自社株などで支給される「長期インセンティブ・プラン(LTIP)」の下で支払われる。パーシモンの株価は、政府による住宅1次取得者向けの購入支援策「ヘルプ・トゥ・バイ」を追い風に急上昇しており、同CEOの今年度の報酬は当初、1億ポンドに達する予定だった。
しかし、この「法外」な金額に批判が相次いだため、会社側は報酬を7,500万ポンドに減額。それでも抗議の声は収まらず、退陣を余儀なくされた格好だ。
同CEOの報酬が発表された昨年11月には、株主も配当の積み増しによる便益を受けており、報酬スキームは株主が受け取る現金の多寡に連動しているとして、このスキームを擁護する声もある。
なお、同CEOの2017年度の報酬額は4,710万ポンドと、2016年度から20倍超に跳ね上がり、ロンドン証券取引所(LSE)の主要指数であるFTSE100種指数の構成企業のCEOとして最高額だった。
フェアバーンCEOは2013年に現職に就任。パーシモンでの勤務年数は29年間に上る。同氏は辞任時に7,500万ポンド相当の自社株を受け取るが、同社はそれ以降は一切報酬などを支払わないとしている。
後任が決定するまでは、デイビッド・ジェンキンソン社長が暫定的にCEOを務める。[労務]
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