英政府は、プラグイン・ハイブリッド車(PHV)の購入者への補助金を撤廃するとともに、電気自動車(EV)の補助金を1台当たり4,500ポンドから3,500ポンドに引き下げると発表した。PHV市場が既に確立したことや、EVの価格が低下したことを背景に、2011年に導入された補助金を見直す。今後はゼロエミッション車(ZEV)の振興に軸足を移すとしているが、自動車業界からは、補助金削減は時代の流れに逆行するとの批判の声が上がっている。
政府は、補助金の対象車両を3つのカテゴリーに分けている。このうち、走行距離1キロメートル当たりの二酸化炭素(CO2)排出量が50グラム以下でゼロエミッションの航続距離が70マイル(約113キロメートル)以上の「カテゴリー1」の車両については、補助金を1台当たり22%減額し最大3,500ポンドとする。このカテゴリーには、日産自動車の「リーフ」や独高級車大手BMWの「i3」、米EV大手テスラの各モデル、仏ルノー「ゾエ(ZOE)」などのEVが含まれる。一方、各社のPHVを含む「カテゴリー2」と「カテゴリー3」の車両については、これまで1台当たり最大2,500ポンドだった補助金を廃止する。
自動車製造取引業者協会(SMMT)のマイク・ホーズ最高経営責任者(CEO)はPHVへの補助の廃止について、「CO2排出量削減への取り組みと完全に矛盾し、購入者をさらに混乱させる」と批判。また、ロードサービス・自動車保険大手RACの道路政策部門を率いるニコラス・ライズ氏は「EV価格は依然として買い替えへの最大の障害となっているだけに、今回の措置は大きな後退となる」としている。
政府は昨年7月、2040年までにディーゼル車とガソリン車の販売を全面的に禁止する方針を公表。今年7月には2030年までにハイブリッド車(HV)とEVが新車販売台数に占める比率を50%以上に引き上げる目標を打ち出している。[環境ニュース]
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