欧州連合(EU)は10日、環境相会議を開き、2030年までに乗用車の新車の二酸化炭素(CO2)排出量を2021年の目標水準からさらに35%削減する案で合意した。欧州委員会は昨年11月に30%削減を提案する一方、欧州議会は先に40%の削減案を可決しており、妥協点を見出すための三者協議がただちに開始されている。
環境相会議では、2025年までに排出量を15%削減する中間目標でも合意。小型商用車については、欧州委の提案通り2025年までに15%、2030年までに30%削減することを決めた。
ドイチェ・ウェレによると、会議では、大規模な自動車産業を擁するドイツと一部の中東欧諸国が欧州委の30%削減案を支持する一方、デンマークやアイルランド、スウェーデンなどは、より大幅な削減を求めた。
2030年に向けた乗用車・小型商用車のCO2排出量基準を巡ってはかねて、欧州自動車工業会(ACEA)が20%の引き下げにとどめるよう要望する一方、環境保護団体は40%の削減を求めている。ベルギーの環境保護団体トランスポート&エンバイロメント(T&E)は今回の合意内容に失望を表明。「欧州委とEUの一部加盟国は、危険な気候変動の影響が警告されているにもかかわらず、自動車メーカーの利益を優先し、気候変動対策の主導役から尻込みしている」と批判している。[EU規制][環境ニュース]
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