ベルリンの行政裁判所は9日、同市に旧式ディーゼル車の通行規制を命じる判決を下した。大気汚染の改善に向け、来年3月末までに市内11カ所の道路で、欧州連合(EU)の排ガス基準「ユーロ5」以前の基準に準拠するディーゼル車の乗り入れを禁止する必要があるとしている。
同裁判所は判決で、ベルリン市は大気汚染物質の排出量を法定基準以下に引き下げる努力を怠っていると指摘。同市に対し、来年3月末までにライプチヒ通りやフリードリヒ通りなどの幹線道路を含む市内道路11区間で、旧式ディーゼル車の乗り入れ禁止措置を取るよう義務付けた。さらに、その他の117区間でも乗り入れ禁止の必要性を検討するよう命じている。
この判決は、環境団体DUHが同市に旧式ディーゼル車の乗り入れ規制を求めて起こした裁判で下されたもので、原告の言い分が認められた格好。DUHは国内28都市を相手取り同様の訴訟を起こしているほか、10月中にさらに六つの都市を提訴するとしている。フランクフルトでは既にDUHの訴えが認められ、来年2月から「ユーロ4」以前のディーゼル車の乗り入れ規制が開始される予定となっている。また、ハンブルクは既に自主的に市内の一部で「ユーロ5」以前のディーゼル車の通行禁止に乗り出しているほか、シュツットガルトとデュッセルドルフなどでも規制の導入が見込まれている。
こうした中、連邦政府は先に、ディーゼル車の乗り入れ禁止措置が各都市に広がるのを回避するため、旧式ディーゼル車の排ガス低減策を発表。大気汚染が深刻な14都市を対象に、旧式ディーゼル車の所有者に買い替え制度か車両の改修制度の選択肢を提供する方針を示している。[環境ニュース][EU規制]
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