広告で世界最大手の英WPPグループは26日、傘下の2社を統合して新会社VMLY&Rを設立すると発表した。クリエーティブ事業とデジタル事業の統合を強化する狙いで、新会社は2019年初めから全面的に始動する計画だ。
統合するのは、米ヤング・アンド・ルビカム(Y&R)とデジタルエージェンシーのVML。全米の有力企業のブランド戦略を手掛ける大手のY&Rと、デジタルメディアに特化したVMLを組み合わせることで、シナジー効果を目指す。
新会社の従業員は7,000人を超え、グループ有数のブランドが誕生することになる。トップにはVMLのジョン・クック最高経営責任者(CEO)が就任。Y&Rのデビッド・セイブルCEOはWPPグループの新たな役職に就く予定で、新会社では業務執行を兼任しない会長としてクック氏を支援する。
今回の動きは、9月初めにWPPのCEOに就任したマーク・リード氏が進める事業戦略の一環。同CEOは先に、データ管理やデジタル媒体対応、広告枠の購入など、複数の分野を統合したサービスを求める顧客が増えていることに対応する意向を示していた。
WPPは今回の統合だけでなく、米デジタルエージェンシーのワンダーマン(Wunderman)と広告制作会社を協業させることにより、消費者データを利用して消費者に合った適切な広告を制作することも検討しているとされる。[M&A][労務]
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