仏重電大手アルストムが手掛けた水素燃料電池で走るゼロエミッション列車「コラディア・アイリント(Coradia iLint)」が17日、ドイツ北部ニーダーザクセン州で商業運転を開始した。燃料電池列車として世界初となる。
「コラディア・アイリント」は、車両の屋根上に設置された燃料タンク内の水素を大気中の酸素と反応させて電気を生産。これにより床下に設置されたリチウムイオン電池を充電し、この電池を動力として走行する。排出するのは水蒸気だけで、二酸化炭素(CO2)は排出しない。また、低騒音も特徴の一つとして挙げられる。水素燃料満タン時の連続走行距離は最大800キロメートルで、乗客定員は最大300人、最高速度は時速140キロと、通常の在来線並みの水準だ。
新列車は、ニーダーザクセン州のブクステフーデ(Buxtehude)からブレーマーフェルデ(Bremervorde)、ブレーマーハーフェン(Bremerhaven)、クックスハーフェン(Cuxhaven)を結ぶ路線に導入された。路線の総延長は約100キロメートルに上る。
アルストムのアンリ・プパールラファージュ最高経営責任者(CEO)は新列車の運行開始について、「仏独のチームワークの結果であり、国境を超えた提携の成功例」とコメントしている。
ニーダーザクセン州は、2021年末までに燃料電池列車をさらに14両導入する方針。これに伴う投資総額は8,100万ユーロに上る見込み。[環境ニュース]
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