英書籍販売大手ウォーターストーンズは7日、同業フォイルズを買収すると発表した。老舗書店を傘下に収めることで、米オンライン販売大手アマゾンの脅威に対抗する狙い。
取引は年内に完了する見通し。取引額は明らかにされていない。フォイルズは1903年に開業。ロンドンの書店街チャリングクロス・ロードの本店は、一時は国内最大の書店として名を馳せ、本好きの聖地とされた。現在は他にロンドンで3店舗と、ブリストルとバーミンガム、チェルムズフォードに店舗を構えるが、オンライン書籍販売の台頭を受け赤字が続いていた。
一方、ウォーターストーンズも一時は苦戦したが、ジェームズ・ドーント最高経営責任者(CEO)の下で接客サービスの向上や店内カフェといった店舗戦略に注力し、2016年に黒字に復帰。今年4月には、米ヘッジファンドのエリオット・アドバイザーズの英子会社に身売りすることで合意し、新オーナーの下で店舗網拡大の機会を伺っている。ウォーターストーンズは英国、アイルランド、オランダ、ベルギーで計283店舗の書店を運営。別の老舗書店ハッチャーズ(Hatchers)も傘下に持つ。
ドーントCEOは「消費者がアマゾンの誘惑に晒される中、フォイルズと力を合わせることにより、より優位な立場で本物の書店の良さを守りアピールしていくことができる」とコメントしている。[M&A]
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