トルコのエルドアン大統領は15日、一部の米国製品に対する関税率を2倍に引き上げる政令に署名した。乗用車には120%、アルコール飲料には140%、たばこには60%の関税が課される。米国人牧師の長期拘束を巡り、米国がトルコに対する経済制裁を発動したことへの対抗措置。BBC電子版が伝えた。
大統領令ではこのほか、化粧品や米、石炭についても関税率を2倍に引き上げるとしている。オクタイ副大統領は「トルコ経済に対する米政府の身勝手な攻撃に対応し、相互主義の原則に基づいて一部製品の輸入関税を引き上げた」と説明した。
トランプ米大統領は10日、トルコからの鉄鋼およびアルミニウム輸入にそれぞれ50%、20%の高関税を課すと発表。通貨トルコリラの急落を招いた。エルドアン大統領はこれを受け、米国製の電子機器をボイコットする方針を示していた。米国はトルコにとって世界第4の輸入相手国で、昨年の輸入高は120億ドル。また、輸出先としては世界で5番目に付け、昨年の輸出高は87億ドルだった。
トルコで拘束されている福音派のアンドリュー・ブランソン牧師は、2016年7月のクーデター未遂事件後にテロリズム関与とスパイ行為の容疑がかけられた。現在は自宅軟禁の状態に置かれ、有罪判決を受ければ最長35年の禁錮刑となる可能性がある。米国はこれに抗議し、2日にトルコの法相および内相が米国内に所有する財産を凍結し、米企業との取引を禁止した。
なお、トルコの裁判所は自宅軟禁と渡航禁止の解除を求めたブランソン氏の訴えを退けた。上級裁判所の判決はまだ下されていない。
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