独総合電機大手シーメンスは2日、第3四半期(4~6月)の純利益が12億1,000万ユーロとなり、前年同期比14%減少したと発表した。デジタルファクトリー部門が伸びたものの、電力・ガス部門が不振だった。
売上高は4%減の204億7,300万ユーロ。電力・ガス部門と風力発電・再生可能エネルギーの新会社シーメンスガメサ・リニューアブル・エナジーがいずれも21%落ち込んで、足を引っ張った。一方、デジタルファクトリー部門は12%増加。鉄道などを手掛けるモビリティー部門は4%、プロセス&ドライブ部門は2%それぞれ伸びている。エネルギー管理部門も1%のプラスだった。建築技術部門と3月にスピンオフ(事業の分離・独立)したヘルスケア部門「ヘルシニアーズ(Healthneers)」は共に横ばいとなっている。
受注高は全体で228億200万ユーロと16%増加。シーメンスガメサ、電気・ガス部門、モビリティー部門で大型案件が増えたことが貢献した。
産業向け事業の利益は2%増の22億900万ユーロ。うち電力・ガス部門は半分以下に落ち込んだが、デジタルファクトリー部門は54%伸びた。産業向け事業の利益率は10.7%と、0.6ポイント上昇している。
シーメンスは通期について、1株当たり利益(EPS)が7.7~8ユーロになるとの従来予想を据え置いた。また、恒常為替レートベースでわずかな増収を見込むほか、産業向け事業の利益率が11~12%になるとの見通しを示している。
■産業向け事業で組織再編
シーメンスは1日、事業再編計画「ビジョン2020+」を公表した。産業向け事業を現在の5部門から3部門に整理することで、収益率の向上を図る。
これにより、産業向けは「電気・ガス部門」「スマート・インフラストラクチャー部門」「デジタル・インダストリーズ部門」の3部門体制になる。10月1日から事務的な手続きなどを開始し、2019年3月末までの完了を予定する。
シーメンスは併せて、ローコード開発プラットフォームを手掛ける米メンディックス(Mendix)を買収することで合意したと明らかにした。デジタル化事業の拡大を図り、モノのインターネット(IoT)統合サービス分野に参入する。取引額は6億ユーロで、2019年第1四半期の取引完了を見込む。[M&A]
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