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マルキオンネ前CEOが死去 FCA、手術後に容体が急変

伊自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)を長年率いてきたセルジオ・マルキオンネ前最高経営責任者(CEO)が25日、チューリヒの病院で死去した。享年66歳。BBC電子版などが伝えた。

マルキオンネ氏は肩の手術を受けた後、容体が急変。職務復帰が不可能になったとして21日に退任していた。後任には傘下の「ジープ」ブランドを統括するマイク・マンリー氏が就いており、ちょうどこの日に行われた第2四半期(4~6月)の決算発表が最初の任務となった。

マルキオンネ氏は2004年にフィアットのCEOに就任し、「フィアット」と「クライスラー」の合併を通じてそれぞれを破綻の危機から立ち直らせた。6月初めにはFCAの2022年までの5カ年計画を発表し、450億ユーロを投資して電動モデルの拡充や自動運転車の開発に取り組む方針を示していた。健在ならば、2019年4月に退任する予定だった。

FCAのジョン・エルカン会長は「恐れていたことが起こってしまった。彼の残した功績の上にさらに築き上げることが、彼との思い出に敬意を表す最良の手段だ」とコメント。マッタレッラ伊大統領やベルルスコーニ元伊首相、ルノー・日産自動車・三菱自動車連合のカルロス・ゴーン会長兼CEOなども哀悼の意を示した。

■第2四半期は11%減益

FCAはこの日、第2四半期のEBIT(利払い・税引き前利益、特別損益除く)が16億5,500万ユーロとなり、前年同期比11%減少したと発表した。中国による7月1日からの乗用車の輸入関税率引き下げを見越し、買い控えが起こったことが響いた。

売上高は289億9,300万ユーロで4%増加。主力の大衆車ブランドを地域別に見ると、EMEA(欧州・中東・アフリカ)と南米は共に5%増え、北米・メキシコは9%伸びた。一方、アジア・太平洋は大きく33%落ち込んだ。「マセラティ」は47%の減収。部品・生産システムも2%減った。

FCAは通期について、売上高が1,150億~1,180億ユーロになるとし、従来見通しのおよそ1,250億ユーロから下方修正。特別損益を除くEBITは75億~80億ユーロを見込み、こちらも87億ユーロ以上としていた前回予測から引き下げた。純利益(特別損益除く)は約50億ユーロになるとの予想を据え置いている。[労務]


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