英金融行為規制機構(FCA)は25日、銀行や住宅金融機関に対して、顧客の貯蓄口座に最低金利の設定を義務付ける案を公表した。各行の金利を比較検討して口座を変更する顧客に比べて、口座を長年保有する顧客が金利面で不利になることの是正を狙っている。
提案では、各行は基本貯蓄金利(BSR)を設定し、これを貯蓄口座や現金型の非課税個人貯蓄口座(ISA)に適用する。対象となるのは、口座開設から1年など一定期間を経過した顧客となる。各行のBSRはFCAのウェブサイトで公表し、消費者が簡単に比較できるようにする。
FCAの戦略・競争部門トップのクリストファー・ウーラード氏は、銀行が多くの顧客が行動を起こさないことをいいことに、長期にわたる顧客に対しては低い金利しか払っていないとして、口座を変更しない顧客を公平に扱う必要性を指摘している。FCAは以前に、消費者に対して各行の金利を比較して口座を変更するよう呼び掛けたものの、効果は限定的だった。
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