スーパー英最大手のテスコと小売りで世界2位の仏カルフールは2日、共同調達を行う計画を明らかにした。プライベートブランド(PB)商品などを共同で仕入れることにより、サプライヤーへの立場を強化し、価格競争力を高める狙い。
両社は、向こう2カ月内に正式な契約を締結する。共同調達を含む戦略的アライアンスを結ぶ方針で、期間は3年間となる見通し。
テスコはかねて、PB商品および生鮮食品の強化、組織のスリム化、コスト削減を通じた業績立て直しに取り組んでいる。また、4月には英食品卸売最大手ブッカー・グループの買収を完了し、これが業績に貢献している。一方、カルフールは2020年までに年間コストを20億ユーロ削減する目標を掲げ、仏国内市場ではスーパーのシステムUと共同調達に向けた協議を開始している。
欧州の小売業界では、独系格安スーパーのアルディやリドルがシェアを急速に伸ばし、価格競争が激化している。こうした中、コスト削減に向けたM&A(買収・合併)や共同調達の動きが加速。英国では4月、スーパー英2位のセインズベリーが米同業ウォルマート傘下で英3位のアズダを買収することで合意した。取引が実現すれば、市場シェアでテスコを抜き、業界最大手に躍り出る見通しだ。
■仏カジノはオーシャンなどと共同調達
仏小売大手カジノ・グループは、同業の仏オーシャンおよび独メトロ、仏Schieverと国内外で共同調達を行うことで合意したと発表した。
4社は、国内外のブランドや、中小サプライヤー、PB商品の入札、農家など、分野ごとに6種類のアライアンスを組み、これらを通じて新たな調達体制を構築する。ただ、販売戦略は各社がそれぞれ独自に策定するとしている。[M&A]
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