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裁判所、ウーバーの営業認可 TfLとのルール順守が条件

ウエストミンスター治安判事裁判所は26日夕、米配車サービス大手ウーバー(Uber)に15カ月間の営業ライセンス更新を認める判決を下した。ロンドン交通局(TfL)と合意したルールを守ることが条件となる。BBC電子版が伝えた。

TfLは2017年9月にウーバーの営業ライセンス取り消しを発表。同社の重大犯罪発生時の報告体制やドライバー採用時の適正試験の不十分さ、各国の規制当局によるアプリへのアクセスや検査を制限するソフトウエア「グレイボール(Greyball)」の使用などを懸念したためと説明した。ウーバーはこれを不服として翌10月に異議を申し立てており、この判決が出るまで営業を認められていた。

同裁判所は25日に審理を開始。ウーバー側は、TfLによる昨年9月のライセンス取り消しは正しい判断だったと認めた上で、その後は是正に努め、3度にわたる検査でもコンプライアンス(法令順守)が証明されたと主張した。営業ライセンスの期間は通常5年だが、ウーバーは1年半の暫定的更新を求めていた。これに対し、エマ・アーバスノット治安判事長は、1年半の更新期間は長すぎるとしたものの、同社の是正への取り組みを評価し、「今の同社には適正がある」との判断を下した。

ウーバーは2月、英国事業における新たな安全対策を発表。深刻な事件が起きた際に警察に直接報告すること、24時間体制の電話サポート窓口を開設することなどを明らかにしたほか、ドライバーの労働時間も連続10時間以内に制限するとしていた。今回のライセンス更新に当たっては、これらの是正策を実行することや、6カ月後に監査を受けること、「グレイボール」の存在を認知していた幹部を雇用しないことなどでTfLと合意している。

ウーバーにとってロンドンは欧州最大の市場で、360万人の顧客と4万5,000人の登録ドライバーを擁する。英国内では80の地域で営業ライセンスを持ち、ケンブリッジやグラスゴーなど35地域で過去1年以内にライセンスが更新されたが、ロンドン以外にヨークでも拒否されている。欧州では、商業免許を持たない運転手による相乗り車を手配する低料金プラン「POP」など一部のサービスが、フランス、スペイン、デンマーク、ドイツ、イタリア、フィンランド、ハンガリー、ブルガリアなどで禁止されている。同社はこれを受け、商業免許を持つ運転手のみを起用するなど、現地の法律に則った営業体制に移行している。[労務]


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関連業種: 運輸IT・通信マクロ・統計・その他経済雇用・労務社会・事件

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