米配車サービス大手ウーバー(Uber)のロンドンでの営業ライセンスの行方を決める裁判が25日、ウエストミンスター治安判事裁判所で始まった。同社はこの日の公判で、ライセンスの更新が認められなかったことは受け入れるとした上で、その後に事業慣行の抜本的見直しを実施したと主張。1年半の暫定的なライセンス更新を求めた。BBC電子版が伝えた。
ロンドン交通局(TfL)は2017年9月にウーバーの営業ライセンス取り消しを発表。同社の重大犯罪発生時の報告体制やドライバー採用時の適正試験の不十分さ、各国の規制当局によるアプリへのアクセスや検査を制限するソフトウエア「グレイボール(Greyball)」の使用などを懸念したためと説明した。ウーバーはこれを不服とし、10月に異議申し立てを行った。同社の営業ライセンスは昨年9月30日付で失効しているが、この判決が出るまでは営業を認められている。
ウーバー側の弁護士は「TfLが昨年9月に下した判断は、当時の証拠に基づけば正しいものだった」とした上で、その後の3度にわたる検査では、「完璧なコンプライアンス(法令順守)の実績」が証明されたと主張。規制の完全順守を担当する非執行役員も3人任命したとしている。ウーバーは2月、英国事業における新たな安全対策を発表。深刻な事件が起きた際に警察に直接報告することや、24時間体制の電話サポート窓口を開設することを明らかにしたほか、ドライバーの労働時間も連続10時間以内に制限するなどとしていた。
営業ライセンスの期間は通常5年だが、ウーバーは1年半の暫定的更新を求めている。ただ、治安判事長は1年半は長すぎるとの考えを示唆した。[労務]
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