ダイムラー、通期見通し下げ 米中摩擦による輸出減見越し

独自動車大手ダイムラーは20日、2018年通期利益の見通しを引き下げた。米中間の貿易摩擦により、高級車部門メルセデス・ベンツが米工場で生産するスポーツタイプ多目的車(SUV)の中国への輸出台数が減る見込みとなったことが大きい。

ダイムラーは4月、グループ全体の通期のEBIT(利払い・税引き前利益)が前年をやや上回るとの見通しを示していたが、今回これを引き下げ、前年をやや下回る水準にとどまるとした。同社はその理由について、「中国が米国製自動車への輸入関税を引き上げることを受け、SUVの販売が予想を下回り、顧客に転嫁されないコストが予測を上回る見通しとなったことが決定的要因」と説明した。「車両を他の市場に回しても、この影響を完全に補うことはできない」としている。

中国はメルセデス・ベンツにとって最大の市場。同社は米アラバマ州の工場でSUVの「GLE」「GLS」「Rクラス」を生産し、中国に輸出している。米国が先に中国からの500億ドル相当の輸入品に高関税を課すと発表したことを受け、中国もこのほど、7月6日からSUVを含む米国製品に25%の報復関税を課す方針を明らかにした。トランプ米大統領は、中国が報復措置を続ければ、さらに4,000億ドル相当の中国製品に高関税を課すと示唆している。

ダイムラーは、見通し引き下げの他の要因として、欧州連合(EU)で9月以降に販売される新車に新基準「乗用車等の国際調和排出ガス・燃費試験法(WLTP)」が適用されることや、先に独運輸・デジタルインフラ省に命じられたEUでのディーゼル車のリコール(無料の回収・修理)に、小型商用車も含まれる見通しであること、ダイムラー・バスの利益が中南米の需要減退を背景に引き下げられる見込みとなったことを挙げている。

なお、独高級車大手BMWも米サウスカロライナ州の工場でSUVの「Xシリーズ」を組み立て、中国に輸出している。ロイター通信によると、同社は今のところ通期見通しに変更はないとした上で、「追加関税を巡る現在の協議を背景に、さまざまなシナリオと戦略的選択肢を検討している」とコメントした。[EU規制]


関連国・地域: ドイツEUアジア米国中南米
関連業種: 経済一般・統計自動車・二輪車社会・事件政治

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