英ヴァージン・グループの金融部門ヴァージン・マネーは18日、クライズデール銀とヨークシャー銀の親会社CYBGによる買収提案を受け入れることで合意した。両社が発表した。実現した場合、顧客数は個人・法人合わせて600万件に膨らみ、国内銀行としては資産規模で6番目、大手銀行に対抗する「チャレンジャーバンク」としては国内最大級の規模を誇る銀行が誕生する見通し。
CYBGは約17億ポンドでヴァージン・マネーの全株式を取得する。ヴァージン・マネー株1株につきCYBGの新株1.2125株を割り当てる方針で、これにより、統合後の新会社に対するヴァージン・マネーの株主の出資比率は約38%となる。
今回の取引は、英国の金融機関の買収案件としては金融危機以降で最大規模となる。両社を合わせた従業員数は9,500人に上るが、うち約1,500人が整理されるとみられる。統合によるシナジー効果は、2021年度までに税引き前で年間1億2,000万ポンドを見込む。なお取引の一環として、CYBGのリテール(小口金融)顧客は、向こう3年をかけてヴァージン・マネーに移行される。
買収成立後、CYBGのペティグルー会長とダッフィー最高経営責任者(CEO)のほか、スミス最高財務責任者(CFO)は現職に留まる。ヴァージン・マネーのガディアCEOは一定期間、アドバイザーを務めるという。[M&A][労務]
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。