欧州中央銀行(ECB)は14日開いた政策理事会で、ユーロ圏の市場介入金利(最重要の政策金利)を過去最低のゼロ%に据え置くことを決めた。中銀預入金利もマイナス0.4%で維持。量的緩和策については、現行の毎月300億ユーロの資産購入を9月末まで継続し、12月末までにこれを150億ユーロに縮小してそれ以降は打ち切る方針を明らかにした。
今回の決定は、金融危機後に導入した政策からの転換に向けた大きな一歩となる。ただし中銀は資産購入の終了について、「今後のデータで中期的なインフレ見通しが確認されることが条件となる」としている。また保有する債券については、資産購入終了後も当面は償還期限を迎えた分を再投資する政策を維持する。金利については、現行水準を少なくとも来夏までは維持するとの方針を示した。
ドラギ総裁は理事会後の記者会見で、今回の決定は全会一致であったことを明らかにした。ただし、2%のインフレ目標を達成するには、依然として大幅な金融刺激策が必要であると指摘。また同総裁は、ユーロ圏の経済成長が鈍化していることは認めたものの、潜在的な成長は引き続き力強いと説明している。
欧州中銀は今年の成長率の見通しを2.1%と3月時点の2.4%から引き下げたが、来年は1.9%、2020年は1.7%にそれぞれ据え置いている。またインフレ率については、年内に1.7%に達すると予想し、3カ月前の1.4%から予想を引き上げた。
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