英航空エンジン大手ロールス・ロイスは14日、向こう2年間で約4,600人を整理すると発表した。1月に発表した事業スリム化の一環。主に中間管理職や事務職が対象となり、本拠を置くイングランド中部ダービー(Derby)の雇用に大きく影響するとみられる。
同社は整理対象者のうち、3分の1が年内に退職すると説明。プログラムは2019年に加速し、2020年半ばまでに全ての人員整理と事業再編が完了する予定だ。また、事業再編コストが5億ポンドに達する一方、2020年までに年間4億ポンドのコスト削減が見込めるとしている。
1月に発表した経営再編方針では、原子力部門の民生用原子力事業をパワーシステムズ部門に統合するほか、原子力部門の潜水艦事業と船舶部門の艦艇事業を防衛部門に組み込む。これにより、原子力部門と船舶部門は廃止され、民間航空部門、防衛部門、パワーシステムズ部門の3部門から成る新体制とする計画だ。加えて、業績不振の商船事業を売却することも検討していると明らかにしていた。
ウォーレン・イースト最高経営責任者(CEO)は今回、「これらの変化は中長期的に、当社の短期的目標を上回る10億ポンドのフリーキャッシュフローを生み出す」と強調している。併せて、今年の増収率が1桁台半ばとなり、営業利益は3億~5億ポンドになるとの従来見通しを維持した。
なおロールス・ロイスは先に、米ボーイング「787」に使われているエンジン「トレント1000」の「パッケージB」に耐久性の問題が発覚していると公表していた。[M&A][労務][環境ニュース]
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