独自動車大手ダイムラーは7日、同社のトラック部門がeモビリティー部門を新設したと発表した。電気ドライブトレインの世界的ノウハウを商用車に応用する狙い。同社はまた、米国で展開するトラックブランド「フレイトライナー」の電気自動車(EV)版2モデルを披露している。
eモビリティー部門は顧客とメーカー双方のコスト効果を重視し、全ブランドと部門にわたって電気部品の戦略を定義し、標準化されたグローバルな電気アーキテクチャーを構築する方針。同部門の従業員は米ポートランド、独シュツットガルト、川崎市といった世界各地の拠点で勤務する。同部門トップには、メルセデス・ベンツの乗用車部門でパワートレインとeドライブの製品プロジェクトを統括するゲーザ・ライメルト氏が7月1日付で就任する。
今回併せてお披露目したのは、大型トラック「eカスカディア(eCascadia)」と中型トラック「eM2 106」。「eカスカディア」の電池容量は550キロワット時で、航続距離は最長400キロメートル。90分で80%程度の充電が可能で、この場合は320キロメートル走行できる。「eM2 106」の電池容量は325キロワット時、航続距離は370キロメートルで、60分で約80%の充電ができる。ダイムラーは年末までに最初の30台を米国の顧客に納入する予定で、2021年の量産開始を見込む。
グループとしては、高級車部門メルセデス・ベンツが大型トラック「アクトロス」のEV版「eアクトロス」を試験導入しており、傘下の三菱ふそうトラック・バスは小型の電気トラック「eキャンター」を欧州市場に投入。メルセデス・ベンツの公共交通機関向けバス「シターロ(Citaro)」も電動版を発売するなど、商用車のEVポートフォリオは群を抜いている。[環境ニュース]
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